かわらない宿。 かわってきた客足。
かわらない街。 かわってきた人。
かわらない物と、かわってきた物。
それはかわらないお母さんと、少し身長が伸びたボク。
それはかわらないボクの想いと、かわっていくボクの気持ち。
お客さんが居なくなって、お昼ご飯を食べをわってから少したった頃。
「ふぅ・・・。終わった・・・。」
綺麗に拭かれた机、床。
汚れていた皿はピカピカに洗われ、甲斐甲斐しく動いていたさっきまでを忘れるぐらい綺麗だった。
やり切った事から笑みがこぼれるフェア。
そんな笑顔が愛しい。
「さてと。昼ご飯も食べ終わったし少し散歩でもしに行く?」
気分転換にでもと付け加えて。
「うん。いきたい。」
ボクを誘ってくれたのがとても嬉しかった。
きっとフェアに他意は無いだろうけどそうとってもいいかな、なんて調子に乗ってみる。
いつもと変わらないのに。
すごく舞い上がってる自分に少し戸惑いながら。
「ふぁー・・・!天気もよくて、気持ち良い。
いつもゴメンね。遊びに来てくれてるのに、忙しくて。大変でしょ?」
歩きながら伸びをして、顔を見る。
お母さんはすまなさそうな顔。
「そんな事ないかと・・・。手伝うのは至極当然。大変じゃない。」
そう答えるとフェアはニコリと笑った。
胸がとくんと高鳴った。
いつもと変わらないのに、すごく魅力的に見えて。
何にも変わってないのに、感じる事が違う。
安心するけど今まで抱いていた気持ちとは違う何か。
そう、これはきっと恋という物。
「どうかした?私の顔に何か付いてる?」
「ううん。フェアはきれいだなぁって思って。」
「いきなりどうしたの?照れるじゃない・・・。」
かわらないものと、かわってきたもの。
それはボクが貴女の子供である事と、貴女の男になりたいボクの気持ち。
fin
あとがき
コーラルの心情を変わるっていう一言で書いてみた作品。
まだまだ若いし、成長期だし、知識はあってもやっぱり戸惑って欲しい。
本編でそういう感情があったとして、もいままでお母さんだったわけだし。
最後のそれはーの言葉は書ききってからふと浮かんで、一人で萌え萌えしてしまった・・・。【変態
コーラル大好き。