隣にいたい









でも欲望はあって










君の事を簡単に傷つけてしまうだろう。




























−I can    −


















「ナタリア?
 早く寝ないと明日疲れてしまうよ?」


「まだ起きていたいの。」


「する事ないのに?」


「いいじゃない?」











今日は宿屋を取っていた。

客も自分達以外いなくて貸し切り状態と言って良い。

自分は剣の手入れをしていたのだが

ジェイドのおっさんは酒場に行っていて

アニスとティア、ルークは寝ていた。

しかし、隣にいるナタリアは

何をするわけでもなく

自分の隣にいて剣の手入れを見ていた。

















「ガイ。」

「なんだ?」

「何でもありませんわ。
 ただ呼んだだけ。」


ニコニコと笑っていたナタリア。

つい可愛く見えてにやけているんだと思う。


「にやけていますわよ。
 どうしたんです?」

「君が可愛いからさ。」


ナタリアは少し俯き加減にボソッと

呟いた。


「もぅ・・。ガイってば・・。
 褒めても何もでてきませんよ?」

「君の笑顔だけで十分さ。」

「だから・・・・。」

「本当さ。」

「もう、ガイにはかないませんわ。」
























本当だった。

可愛いと思うし

綺麗だとも思う。

少し我が侭で

正義感が強くて

良い女だとも思う。

この感情は言葉だけじゃ表せない

そう思う。
















好きな人だからこそ

いろんな事一緒にしたいし

恋人になって恋人らしい事をしたい。

だけど













「ナタリア、もう寝ないと。」

「ガイが先に寝れば良いのですわ。」

「本当に良いのかい?」

「いやですわ。」

「・・・・・・。」







すこし 脅かして みよう
















「・・・・・君の事
 好きにしてしまうよ?」

「!!?」




ナタリアはビックリした顔で

俺の顔をまじまじと見た。

嫌われたのか?

それとも珍しかったのか?








するとナタリアは俺に近づき

一歩引いた俺を無理やり引っ張り

俺の胸に抱きついた。









「好きにしちゃいました。」












してやられたというところなのか?

不思議と恐怖もなく

ナタリアのことを抱き寄せた。

ナタリアは顔が真っ赤なのを隠していた。







ほら、こんな事簡単に出来てしまうんだ。

















「ガイ・・・離して・・・。」

「あ、ごめん・・。」




ぱっとナタリアのことを離した。

惜しかった。












いつまでも良い人ではいられない。

だけど良い人でなければいけない。

傷つける事なんて俺には出来ない。

















「ガイ、私もう寝ますわ。」

「ん、あぁ・・。そうだな。
 俺も寝るよ。」





ナタリアは上機嫌に笑った。

俺も微笑んだ。










いつか




いや近い時期




君を傷つける事になってしまうだろう。




だけどそれは好きだからなんだ。















‐Fin‐


あとがき

最初は甘甘のつもりだったガイナタ。
ガイナタって公式だと思うんですが、
やはりルクナタかアシュナタなんでしょうか・・・・・。[泣
でもルークにはティアがいるのでvvv
ガイナタがいいんですよ。
公式じゃなかろうと!!!