ねぇ、私ってバカみたい。
*幸せすぎる悲劇*
「ガイ、好きですわよ。」
「あぁ、ナタリア。
僕は愛しているけどね。」
「まぁ・・・。」
自分でも思うくらいの幸せ。
甘ったるい空気が流れ続けている。
お香の匂いもあるかもなんて
とってもにやけていたり。
彼氏なんてできた事無いから。
ルークは婚約者だったけど
こんなことした事無かったし。
少し自覚も増えてきた今日この頃。
「じゃぁ、もう俺は寝るね。
おやすみ・・。」
頭を撫でて扉から出ていってしまう。
一緒にいたいとか思ってしまうのはすごくわがままだろうか?
まだ読みかけだった本をあける。
その話はとっても悲劇な恋愛小説。
読んでいるシーンは別れの所。
「まぁ・・・。」
涙の出そうな感動的なシーン。
ふと考えてしまう。自分がそうなってしまったら?
悲しくて泣いてしまうだろう。
それどころじゃない。もしかしたら立ち直れなくなりそう。
少し考えるだけで複雑な気持ち。
でもガイが言ったなら仕方ないのかも・・・とか思ったり。
「あれ?」
ふと考えた事に疑問を覚える。
なんでそんな事考えているんだろう?
別れるって、まだ付き合ったばっかりじゃない?
笑みがこぼれる。
付き合ってるからそう言う風に考えられる。
たとえ悲しい悲劇の例え話でも、
実感がわいて仕方ない。
ねぇ、こんな無意味な想像
とても幸せに感じるの。
馬鹿みたい、わたし。
「大好きですわ、ガイ。」
また、にやけてみたり。
-fin-