「ガイ、まだ起きていらしたの?」



寝付けなくて起き上がって行った先は 大好きな人のところ。



まだ起きていた貴方は少し様子がおかしくて 窓の外は綺麗な星が流れて落ちてきそうだった。

定まらない貴方の視点。



「あ、ナタリア。」


椅子に座っていた貴方は 一人でお酒を飲んでいた。

一目見たら分からなかった、

定まらない視点の意味が わかった。

貴方の顔は火照ったように紅かった。



机の下にはボトルが転がっている。

こんなに一人で飲んでいるのかと感じる量。

どの程度のお酒かは知らないけれど、いけない気がした。




「ガイ、飲みすぎなのではなくて? 一人でこんなに飲んだのですか?」

「ジェイドと飲んでいたんだ、もうジェイドは寝たけれど。」



にっこりと笑う貴方。いつもとは違う無邪気な笑み。

不覚にもドキッとしてしまう。・・・罪ですわ。



「とにかく、こんな時間なのですし飲むのはやめたほうがいいですわよ。」

私がそういうと貴方は苦笑いをした。

「そうかもね、少し飲みすぎた。」

ハハハと乾いた笑い。

なんとなく可愛くて頬が緩む。




「それで、そんな時間にナタリアは俺に何のようだい?」


今さっきとは違う雰囲気になる貴方。

相変わらずの紅い顔、真剣な眼差し。

鼓動が早くなる。言葉が出なくなりそう。



「あぁ・・、少し寝付けなくて考え事してたら ガイは起きてるかなと思いまして・・。」



すこししどろもどろとしてしまったと思った。

何故だろう?貴方がそんな顔するからだ。

そうするとガイはその真剣な顔を緩め、 今さっきの酔っ払った貴方に戻った。

「そっか、そっか。」

心底嬉しそうな貴方。 少し不満を覚える。

「なにか嬉しい事でも?」

「うん、だって考えてたことって俺の事なのかなとか 俺のことが気になったって事がものすっごくうれしくてさ。
ごめん、ごめん。怒らないでね。」


目をぱちくりとさせる。



「だってさ、ナタリアの事大好きだから。」



パチ、パチと瞬き。



グイっと腕をつかまれて引き寄せられる。


「なっ!?」

「もし俺が流れ星になれるのなら 君の願いを叶えるためにひときわ輝いて流れるよ。」


耳元で囁く貴方。 甘く広がる貴方の声。

「・・・・・・私だって・・・。」


もごもごと自分でも何を言ってるか分からなくなってしまうような声で

それでも貴方は聞き取って、にっこりと微笑む。



「そのベットでいいから寝たほうがいい。 俺がいてあげる。いいだろう?」

やけに眩しくってきざったらしくて恥ずかしくなるような事ばかり 貴方は言うけれど、私はそれを信じますから。





星に願いを、三回だけじゃ足りないお願い。




「ガイ・・、大好きですわよ。」









−fin−




03:流れ星

あとがき

流れ星というお題なのですが、あんまり関係ないんじゃないかとか言っちゃいやんvって内容です[爆]
なんというのでしょうか、ガイの髪の毛って星っぽいと思いました。
ナタリアにとって希望で逆も言えると思いながら書きました。