見つめて、見つめられて。
愛して、愛されて。
「何よ。私の顔に何かついてるの?」
仏頂面で見つめられるのも慣れてきて
観察している私が観察されているかのよう。
「お前だってずっと見てるじゃないか。」
正論を言われるけど別に関係ない。
私は貴方を見ていたいの。
なんでって?貴方が興味深いからよ。
何に惹かれたかなんて聞くのは野暮。
貴方のすべてが知りたいの。
話したいし、一番分かっていたい。
私の興味を引くなんてなかなかのもんよ?
知ってる? 何かを観察するとき、必要なもの。
頭の良さとか観察眼とかそういうものじゃなくて。
それはね、愛。
くさいって思うかもしれないけどそうなの。
だって嫌いなものを見ていたいかしら?
「あんたの事、全部知りたいから見てるのよ。」
「・・・。じゃあ僕もおまえの事を見ているさ。」
愛して愛されて、一番に分かり合える。
だから、見つめて見つめられる。
そんなことを繰り返して愛してるが深まっていく。
FIN
9愛してる
あとがき
携帯サイトで広辞苑があるんですね。
そのコンテンツの中の言葉の贈り物って言うのでいつだったか観察には愛がどうのこうのっていう名言があったんですよ。
それをふと思い出して書いた作品。
ジューダスに直接その言葉を言っている訳じゃないんですがジューダスも分かっている感じで。