神様が私に与えたかったのは天才の愚かさ。
そして未来で死んだ人間を愛してしまった事への罪。


神様は人によって違う。
私は神なんて存在は信じていないし、これから戦う奴は自称に過ぎない。
ただ人間が届かない大きな事を神様と表現する事は間違っていない。
私だってそうやって使ってるわけだし。

こういう結論に行き着いたのは彼−ジューダスの存在。
ジューダスは生きている死人。
これからもずっと一緒にいたいと考えるのは立場上普通の事であると私は思う。



数値化することはとても簡潔で分かりやすい答えが出る。
この数値ージューダスが消えてしまう確率は倫理的な分野ではない。
曖昧な数字は出ないはず。

それが私の愚かさなのだ。
何でも知りたくなって調べた結果がこうなのだ。
何回も何回も計算をしいろいろな求め方をした結果。


私は子供じゃないし真実を受け止めれないわけじゃない。
ただ、悔しいのだ。
神を越えるの言ったのにそういう所は自分勝手な神に振り回される自分が嫌。
もし天才じゃなかったらこんな事思いつかないし思いついたって計算式は出ないだろう。
そしたら私はぎりぎりまで何にも気が付かないで貴方と居れたのに。
ずっと一緒に居れるって幻想抱けたのに。



まだ全部調べてないのに。
いなくなるなんて酷いじゃない。
私の記憶の中から消えるなんてどういうこと?
あんたが勝手に私の中のすべてを奪っていったくせに。




はぁと溜め息ひとつ。
いつから私はこんな事を思うようになったのだろう。
ヒトなんてたやすく理解できる物だと思ってたのに。
ヒトは奥深く、研究対象として最高の物だって思うようになってた。

全部あんたのせいなのよ?
未来の人間のくせに過去の人間好きになっちゃってさ。
しかも一緒にどこかに逃げようって言うほど勇気のない臆病者だし。
もう死んじゃってるし。
けど、そういうところ全部好き。大好きなのよ。




神が私に与えたのは罪なら甘んじて受けようじゃない。
絶望するほど子供じゃないし。
恋なんて一時のものだからって思うけど今の思いを大事にしたい。



神様の馬鹿。
私を本気にさせた罪は重いわよ?



自分が忘れてても時間をかけて思い出してやるんだから。
そのときもしも私がお婆ちゃんだったとしても絶対ジューダスに何かしてやるんだから。
未来に残してやるんだから。







神様が私に与えたかったのは天才の愚かさ。
そして未来で死んだ人間を愛してしまった事への罪。
それなら私は天才だから考え抜いて報復してやる。
神を越えるのは私なんだから。 神だって裁いてみせる。









Fin







21:神サマ
あとがき
深刻な場面に直面してもあまり動揺しないハロちゃんなのでこんな事考えてそうだなと思いました。
大人だからといってもあまり人との係わり合いが無いはず・・・。[汗
だからヒトなんてって思うといい。[ヲィ