この見慣れた雪も貴方といれば変わる。
それは雪の降る外での話。




雪の世界




少し弱くなった雪の勢い。
ずっと部屋にこもっていたので気分転換にでもと外に出る。


上着を羽織り、殺伐とした拠点を歩く。
真っ白なだけの世界。
見慣れたこの風景は楽しくも何とも無い。
楽しくないから戻って色々な部品の点検などをしようと思い降り返る。


ふと、横を見る。高台の方に人がいる。
黒尽くめの服。そして柳のモンスターの骨の仮面。
忘れるはずが無い、間違えるはずも無い。




「ジューダス?どったの?こんなところで。」
「散歩をしていた。お前は?」
「私もよ。」


散歩に出る理由はいくらでもある。
他の四人に気を使ったとか。
シャルティエと喋っていたと考えるのもおかしくない。


ジューダスの隣に行く。
仮面の中の顔は綺麗で黒髪はサラサラ。
憧れる髪の毛だ。

さくさくと雪道を二人で歩く。


私達の話題は雪について。
どうして雪が出来るのかとか雪が降る事によっての弊害・・・。
軍の中じゃこんな話を出来る人は少ない。
話をわかってくれる人がいるのは嬉しい事なのだと実感する。



いつのまにか全ての場所を歩きまわっていた。
子の少しの時間がジューダスといるだけで変わるなんて。


それは白い雪に色がつく感じ。



「ねぇジューダス。」
「なんだ。」
「寒いから私の部屋で喋らない?」




それは雪の降る外での話。



【15:雪の世界】
雪の世界はハロルドにとって見慣れた物だと思うんです。
それがジューダスといるだけで違った物に見える感動?みたいな。
ずっと一緒にいたいと本能で思っていればなぁ。。