それは僕の知らない異国の歌。
君は口ずさんでいた。
嬉しそうに歌う君は
歌詞が分からなくても
何を考えているか分かる気がして嬉しい。
僕は本に目を落としながら聴いていた。
‐歌でつながるこの想い。‐
突然歌が止まる。
気になって君の方を見るといつのまにか
僕の事をじっと見つめていた。
「どうしたんだ?歌わないのか?」
「えっ?!もしかしてメルディの歌聞いてたか?!言葉、わかったか?!」
慌てている様子から聴いて欲しくなかった事がわかる。
二人しかいない部屋で聞こえない方がおかしいと思った事は言わない事にした。
「聞かせる気がなければオージェのピアスは反応しないだろ。」
「そうか・・・。よかった・・・。」
心底安心したかのように。
本当は聞こえて欲しかったかのように。
「歌ってくれないのか?」
曲の歌詞も知りたいけれど
大体予想はついている。
「はいな!よろこんで歌うよ!!
でもどうして顔あかいか?」
「おまえもだろ。」
もどかしいこの距離。
でも君とつながっているみたいでうれしかった。
あとがき
キールはメルディの気持ちにほとんど気付かない鈍感野郎だと思う。
でもたまに気がついて赤面するみたいな。【どんなだ
メルディは気付いて欲しくてたまらないのですよ!!
くそっ。キールがうらやましいぜ【ヲイ
メルディが歌っていたのは恋の歌です。