そっと目を閉じて貴方が映る。








ーきっとそれは初めてのキモチー





天気の良い日。

木の幹に寄りかかっていたら
いつのまにか寝てしまっていた。











ふと目がさめる。
あまり時間は経っていないだろう。




温かくて柔かいものに包まれていた。



心地好くて眠気を誘う。















目が覚めて周りを見る。

あいかわらず陽は昇っていた。


自分の隣を見てみる。
心地好い理由がそこにあった。



「グッ・・・グリューネさん?!」



僕は急いで押しのけた。
それでもまだ寝ている。






心臓がうるさく鳴る。
だって顔が近かったから。



ととのった眉毛、長く綺麗なまつげ
白く綺麗でやわらかそうな肌、ほんのり赤い唇
結ってある髪はつややかでやわらかそうだった。





多感な思春期真っ只中の僕には少し刺激が強かったらしい。

異常なほど鳴る心臓。
顔は赤くなっているだろう。


どうしてこんなにも動揺するのだろう。

今までこんな気持ちになった事はなかった。




心臓はまだ鳴りやまない。












そっと顔に触れてみる。

あたたかくて触り心地の良い肌。



僕は何をしているのだろう。
何で触れているのだろう。

何で触れたいと思うのだろう。








「あら・・・。ジェイちゃんおはよう。」


いきなり起きるから。
僕は急いで手を引っ込めようとしたら手をつかまれた。


「ずっとなでててくれたのねぇ。おかげでよぉく寝れたわぁ。」


ニコニコと笑う。

みんなを和ませる微笑み。




心臓がまたうるさく鳴りだした






「どうして隣にいたんですか?」

気になったので聞いてみる。
冷静を装ってはいたけど本当は冷静なんかじゃなかった。



「うーんとねぇ・・・。
あったかくてお昼寝日和だったから寝ようかなぁって思ったのよ。」
「じゃあなんで僕の隣にいるんですか?」
「いやだったかしら・・・。」
「そうじゃないですけど。」










そうやってはなにが途切れてまた眠りに落ちる。
グリューネさんの隣は嫌いじゃなかった。
あったかくて優しくて
穏やかな海のような。
無償の愛というのだろうか。





ずっとこうしていたいと思った。








陽はもう下にあってオレンジ色に染まった世界。


「僕帰りますね。」
「そうねぇ。もうすぐ暗くなっちゃうものねぇ。」
「それじゃ。」
「またあしたねぇ。」
















一人になって思う

不思議な気持ち。

グリューネさんのことを考えるとドキドキしたり動揺したり
ずっと一緒にいたいと思ったり。


そんな事を考えるのは初めてだ。






いつのまにか傍にいて隣で微笑んでいる。

その中に流れる優しくてあたたかいもの。
それに包まれて初めて気付いた気持ちは多分




初めてのキモチ。




Fin






初TOL小説でジェイグリュ。マイナーカプとか言わないでください。[泣
TOLの中で一番好きなカプですから。
ジェイが恋と言う気持ちに気付く前辺りを意識して掻きました。
本編でもこんなに密着してくれたらなぁ・・・。[ヲイ