「アーリアとお兄様はどのくらいまで進んでいるの?」
その言葉は唐突に。
付き合うので精一杯な君に好奇心旺盛な俺。
考えてもみなかったけどどうなんだろうか。
大人な関係?
センシビアに遊びにきたカイウスとルビア。
カイウスは部屋で休んでいる。
「いきなり変な事を聞くなぁルビアは。」
乙女でロマンチックな小説なんかに憧れそうな義妹。
「素敵な王子とキレイな聖女の身分違いの恋物語」
なんていうのはよく小説なんかに書き表される題材で
それに俺達を映してみてる部分もきっとあるだろうし
なにせ女の子は色恋沙汰が大好きだ。
「だって気になるんですもの。
お兄様は軽そうだけど案外純情なところあるし、 アーリアはそういうのに疎そうだし・・・。」
目をキラキラさせながら言うルビア。
素直で真っ直ぐで可愛いと思う。
真っ直ぐ同士、カイウスとはお似合いだ。
「期待されるほど進んじゃいないさ。ゆっくり自分たちのペースで行くよ。」
つまんない。
と言うような顔。ころころ変わる素直な顔の表情は嫌いじゃない。
「でも、お兄様って余裕な感じですよね。大人って感じっ!」
「いつも余裕でもないけどね・・・。なにせアーリアは鈍いしそういう事に疎いから。」
したくないわけじゃないし、かといって余裕な訳じゃない。
たまにアーリアは自分の事が好きなのかと思うことさえある。
でもそれがアーリアの愛情表現だって思ってるから。
じっくりじっくり時間をかけて。
「アーリア。俺の事好き?」
「いきなり何言ってるの?」
質問を質問で返される。
そんなに俺は変な事を言っているのだろうか?
「きらいか?」
「あのねぇ・・・。公衆の面前で抱きつきながら聞く事?」
センシビアの公園。
城の近くにあるから広いし、人はたくさんいる。
そんな中で木陰の近くのベンチに二人で。
首に回していた手をほどかれた。
まぁやりすぎたかなって反省中。
「嫌いな訳ないじゃない。嫌いな人にそんな事されたらことわるもの。」
「本当に?」
ちょっと意地悪に何回も聞いてみる。
「信用していないの?」
少しふくれた顔。
そんな君も可愛くてついついいじめたくなる。
子供っぽいな、俺。
「じゃあキスしていい?」
「こ・・・ここで?」
「うん。」
「いやよ。人が一杯いるもの。」
「平気だよ。見ていないさ。」
呆れたような顔をするアーリア。
「貴方は四番目でも王子なのよ?見られている自覚を持って。」
正論。アーリアの方がよほど大人だよ。
あせらず、ゆっくりと。
それってけっこう俺が大人にならないと難しくて。
きっと関係が進むよりも大人な関係。
fin

あとがき
元々はお題用に書いていたものなんですが、変更したために単品でUP。
ティルキスが偽者っぽいしね、アーリアがティアっぽいしね・・・。[ヲィ
きっと王子はアーリアの事を溺愛してるといい。
