冗談でなら、なんとでも言えるのに。
なぜ、本番本気の時はこうもつまってしまう?
ホントに俺っていうのは道化でヘタレな奴なんだろう。
キャンプで、めずらしく俺は一人になった。
いつもなら料理を作っているのだが今日はアーリアが作ると言っていた。
はぁ・・・。とひとつ溜め息。
らしくないのはわかっているけど足踏みしてしまう。
いままで付き合った子達はこう・・・なんていうかわからないけど
相手からの告白が多かったせいか友達の延長線上みたいな感じでただ楽しいだけだった。
言葉では言ってても恋人らしい事はしたことなかったし。
まぁそれで振られちゃうんだろうけどな。
そういうのもヘタレって言うのかな?
こんなにも苦しくて愛しいなんて思いはした事がない。
こんなにもこの関係を壊したくて、なのに壊したくない気持ちがある。
アーリアに断われる事で傷つきたくなくて、今までのように喋れればいいんじゃないか?と弱気な考え。
人生経験不足なんだろうな、俺は。
アーリアの事を考えるだけでこんなにも心が乱されて、それでいて満たされる。
その考えが募り募ってもっと大好きになってって、はたして俺は踏ん切りをつける事ができるだろうか?
頭をガシガシとかく。乱れる髪。
「どうしたの?」
「!?・・・アーリアか。アーリアこそどうしたんだい?」
イキナリやってきて話し掛けてくるから、ビックリした。
すごく嬉しい。
「あなたが話の輪に入らないのがおかしいと思って・・・。
ずっと見てたら表情が暗いし・・・元気ないの?」
君の事を考えてたからだよってなぜかアーリアには言えない。
他の子には、あんなに軽く言えたのに。
「お腹がへって元気がないだけさ。大した事ないよ。」
「・・・そうなの?本当に平気?」
心配してくれるのが素直に嬉しい。
アーリアが心配してくれてるって思うだけで、それだけで元気なれる。
「平気さ、俺は病気をしない子だからな!」
俺はきっとこれからも迷うんだと思う。
けど、アーリアにこの思いを伝えなきゃ一生後悔するから。
俺の気持ち、いそがなくていい。
ヘタレでもいいから。
2.ヘタレ王子
あとがき
レッツ直がき!![コラ
いつもノートに書いてから打ってるんですが今回はパソに直でやったので変なところあるかも・・・。[汗
ティルキスは何処にでも居そうな青年みたいな恋愛をしていそうだなぁと思って書いていました。
友達からいつのまにか恋人になってていつのまにか振られてるみたいな。
で、ティルキスは優しいから理由がない限り断わらなそうだし。
アーリアに出会って自分のヘタレさに気がつき悩むみたいな。