朝起きて布団とは違うぬくもりを感じる。
まくらとは違った堅さに少し違和感を感じ、目をあけて見る。




目の前には彼の顔。
私を抱き締めて離さない様に足まで絡めてる。


長い髪の彼はいつも束ねているから解いているのを見るのはまだ慣れない。
なんというか、妙な色気を感じてしまう。



一緒に寝るようになってからまだあまり経ってないからいつも寝る前はドキドキしてしまう。
でも温かいぬくもりが私を支配していって、心地いい気分になる。
彼はとても温かい。
体温もだけど、人柄が。


慣れないのは朝起きるときもそう。
今日のように顔が近かったりするとびっくりするし、ドキドキする。
彼はかっこいい。
もっと彼に似合う人がいるんではと思ってしまう。








こんなにいい人が私を必要だと言う。

こんな私の事を。

幸せすぎて恐い。

いつか離れてしまうのではないか。
この慣れないぬくもりが無くなってしまうのではないか。


必要とされる事は泣きそうなほど嬉しいのに、涙が出るくらい恐い。










「・・・アーリア、おはよう。」
「おはよう。ティルキス。」

いきなり抱き締める力が強くなる。

「どうしたの?」
「アーリアが出ていく夢を見たんだ。・・・はぁ夢でよかった。」
にへら、と笑う彼は何だか可愛くて、見ているこっちまで笑ってしまう。

「いなくなったりなんか、しないわよ。ずっとね。」
「今の状況が幸せすぎて恐いよ。
愛しい人とずっと一緒にいるって約束されたんだからね。」

おどけてウィンクしたあと、やさしく笑う彼にほっとして、涙がこぼれる。




慌てる彼の中で想う。

幸せすぎて恐いのは、貴方を愛してるから。








FIN








あとがき
ティルキスは本編でもアーリアが好きという事がバンバン出てますが、アーリアはないなーって思って、
アーリアにものろけてもらいました。
アーリアは基本ネガティブだと思いますよ。
だから楽観的なティルキスと合うよ。
引っ張ってって欲しいですね。

書いててにやにやしてましたよこれ。
アーリアに足を絡ますティルキスとか・・・!!!
で、寝言で「あーりあ・・・」とかなんとかいったらやばいな。