「バレンタインデー、近いねぇ!」
「あぁ、そうねぇ。
そういえば・・・。」
「「♪」」
「そんなに楽しみ?ナタリアとアニス。」
「そうに決まっているでしょう?
ティアはそんな事無いんですの?」
「んー・・・。
毎年あまり関係なかったから・・。」
「今年は関係ありありだけどぉvv」
「///」
女の子らしい会話を広げる一方
肝心の男性陣はそんなイベントには疎く
あまり気にしていなかった。
「なんか、女性陣が楽しそうに話してるなぁ、と思ったんだけど。」
「いきなりなんだ?いつものことじゃないか。」
いつもとなんかちがうのに気付くへたれルーク。
それすら気付かない天然ガイ。
「それは、バレンタインデーが近いからじゃないですか?」
眼鏡をくいと上げながら言う鬼畜ジェイド。
あえて言わなかったようだ。
「あぁ、そうだったな。。」
げんなりと顔を青ざめるガイ。
けたけたと笑うルーク。
「ガイには嫌な日なんですか?
男性なら誰でも嬉しいものですけどねぇ。」
「いやっつーか・・・恐怖だったな・・・。
メイドさんから町娘やら叔母さまから・・・・。
俺よりも良い人なんて山ほどいるだろうに・・・」
「ガイが外にいるときはわからねぇけど
城だけでもすごい量だったよなぁ、うらやましすぎたよ。
俺も貰ってたけど。」
「うらやましい限りですねぇ。」
「俺には恐怖で仕方なかったよ・・・・。」
本人はまだ気付いていない。
今年が去年よりも一昨年よりも恐怖なバレンタインだと言う事を。
恋人のイベントのひとつ。
今年もいつものようにその日は近づいていた。
バレンタイン-デー[St.Valentine‘s Day]
二月十四日。聖バレンタインの記念日。
この日に愛する人に(特に女性が男性に)贈り物をする。
日本では1958年ごろより流行。
[引用:広辞苑]
今年のバレンタインは忘れられないほどの愛で。
バレンタインは愛しい貴方と。
****
バレンタインという単語が心に
大きく支配されているナタリア。
「バレンタイン・・・・・・v」
あの方に差し上げたらどのように
反応してくださいますのでしょう・・・v
あぁ、愛しいあの方。
とっても喜んでくださいますでしょう。
そして熱い抱擁。
その次に激しいキスvv
まるで獣のようになったガイはたまらず
『チョコよりも君が欲しい・・・』
熱い青の瞳と紅潮するガイの顔。
それよりも自分の頬が赤く染まっているようで。
私をベットに押し倒しちょめちょめ・・・・・vvv[ハァハァ]
ナタリアはいつものように妄想を繰り広げていた。
「それにしても、ガイにはちゃんとしたチョコを差し上げなければ。
ティアやアニスを誘ってチョコを作りましょうvv」
普通の女の子みたいにチョコを作るなんて
今まで無かったし新選で仕方なかった。
早く明日にならないかな?と想像を膨らまして
ベットへともぐりこむナタリア。
それはまさに明日の事なんて予想もつかないような可愛い姿だった。
****
「さぁ!チョコレート作り開始だねv」
アニスのとても明るい声がキッチンに響く。
三人はエプロン姿でティアは髪を束ねて
とても可愛らしい姿だった。
男性陣は「かわいいなぁ」とかおもいながらキッチンから追い出されてしまう。
「もっとみてたかったなぁ・・・。」
名残惜しそうに言うルーク。
よほどティアのエプロン姿がお気に入りになったらしい。
「まぁまぁ、いいじゃない?
俺達のために作ってもらえるわけだし。」
苦笑のガイ。
ガイもガイで名残惜しそうだった。
「青春ですねぇ・・。私にもこんな時期が・・・・・。」
ジェイドはしみじみと言ったけれど
ルークとガイにとってはそんな時期なんて無さそうだと言わんばかりだった。
「ッッ!!!!」
急にルークの頭痛が始まる。
「なんだ!」
ガイが近づくが、しかしルークの体は勝手に動いてしまう。
『オイッ!屑っ。』
「な・・・・なんだよっ・・・・。」
『今すぐ来いッ!俺の力になれっ。』
「はぁっっ?!」
『一人で玄関から出ろ。』
「なんだよ、おいっ。」
頭痛がやむ。
アッシュからの呼び出しだなんて
ほとんどない。
しかも相当急いでいたようだ。
なにがあったんだ??
「ちょっと外行って来るっ!」
「なんだっ?頭痛はだいじょうぶなのか?」
「平気だッ。すぐ戻ってくるから!」
ルークが走り去っていくのをガイはその背中を見た。
「なんなんだ?」
「さぁ?月経ですかね?」
「そりゃねぇだろうよ、おっさん・・・。」
ルークは知らなかった。これからの地獄絵図を。
****
「二人は誰にあげるの?」
ティアはチョコをテンパリングしながら
ナタリアとアニスに聞いた。
「私はねぇ、いろんな人にあげて三倍返しvvを期待してますっvv」
「あぁ・・・。アニスらしいわねぇ・・。」
アニスは自信満々にティアは呆れたように頷いて
ふとナタリアをみると
チョコには似つかない場違いな魚と格闘していた。
アニス、ティア固まる。
「えーと・・・・ナタリア?[汗]」
「なぜ・・・魚なの?」
「ぇ?ガイの好きな物と言えば魚でしょう?」
「え?それで何するつもり?」
つばを飲み込むアニスとティア。
自分達が思っているのが当たらないと良い。
「ガイの好きな物と言ったら魚でしょう?」
「えぇ、そうだけど・・・もしかして・・・」
「チョコレートと魚を組み合わせるのですが、それがなにか?」
考えただけでも悪寒がした。[BYアニス&ティア]
青ざめる二人を置いてけぼりに
ナタリアはルンルンと作業をはじめた。
恋する乙女は片手で龍をも殺すと言うのは本当の事だ。
というか人類が普通に滅亡できると思った瞬間だった。
「ナタリア・・・・・。
それはやめて普通のチョコ作りましょう?」
重い口を開いたティア。ナイスといわんばかりのアニス。
ナタリアはクエスチョンマークを頭から出していた。
「ダメでしょうか・・・?
チョコレートと魚のハーモニーがマッチしたら美味しいかなぁと思ったんですが・・・。」
ナタリアは少し悲しそうな顔をしていた。
これもガイを愛すが故なのである。
たとえこれでガイが死のうともナタリアは悪くは無いだろう。
「うん、その音色聞いたらKO☆だよね、軽く・・・。[汗」
的確につっこむアニス。
「でもそれはナタリアが一生懸命作ったんだし、ひとつぐらい入れても良いかも。」
ティアはナタリアが哀れに見えたのか、それともガイに恨みがあるのか
ナタリアにそういった。
「ひとつくらいなら・・・・。
いいですわよね?」
ナタリアはとても満足そうだった。
アニス、ティアはホッと胸をなでおろす。
魚とチョコレートの迷惑極まりないハーモニーで死ぬ事なんて無いだろうと
祈りながら。
「[どうせなら大佐にお願いして媚薬でも貰っておいた方が良かったかもですわ]」
ナタリアはナタリアで妄想を繰り広げていたのは言うまでも無い。
****
ふと目が覚めるとそこは
キッチンだった。
あれ?なんで自分は寝てて今起きたんだ?
「ッ!そう言えばアッシュッッ?」
「ここにいる、屑。」
「あ、ホントだ。じゃなくてっ!
なにかあったのか?!敵とかに追われてんのか?」
ルークは真剣にアッシュに聞く。
アッシュも真剣な顔をしてその問に答える。
「バレンタインデーだろう?
あのだな・・・[もじもじ]
ガイにチョコを作りたくてだな、屑、お前以外に
頼む人がいなくて、呼び出したんだ。」
帰っても良いですか?[泣]
しかももじもじvvってなんだよぉぉぉぉ!!
アッシュのそんな姿みたくない・・・[汗]
「えーと、アッシュが作ったチョコを俺が渡せば良いのか?
直接渡せば良いじゃないか。」
正直面倒くさいガイの気持ちになってみると
面と向かっての方が嬉しいじゃないのかと重うルーク。
アッシュはまた真剣な顔に戻りいつもの凛とした声に戻る。
「手伝って欲しいんだ。
他の六神将に頼んだんだが仕事が忙しいのでな。」
「[みんな逃げたんだな・・・・。]」
それにしてもガイはモテモテだ。
不本意だとはいえ自分があまり好きでないアッシュにだって
惚れられているし、一国の姫ナタリアにだってそうだし
これもまた不本意だが一国の陛下ピオニ−やヴァン師匠にだって・・。
・・・なんかうらやましいって言うよりも哀れっつーか・・・;;[汗]
「にしても、何を作るんだ?
俺は料理できないしお菓子なんて作った事無いし・・・。
レシピがあんのか?」
ルークは頭をぽりぽりと掻いた。
あてにされたのは嬉しかったらしい。
すこし頬を染めながら言った。
「リグレットに頼んでレシピを貰った。
それ以外にもアドバイスを書いてもらったんだ。」
「へぇー、意外。
六神将はフレンドリーなんだなぁ・・。
で、何が書いてあるんだ?」
「まだみてない。」
「じゃぁ、一緒にみようぜ。」
カサッと広げた紙にはそれぞれの字が書いてあった。
ぱっと見て笑い転げるような下手な文字も無ければ
普通な事が書いてありそうな・・・・・なさそうな・・・・・?
「えーと、リグレットはトリュフのレシピが書いてあるんだな。」
一番上にはレシピが書いてあった。
分かりやすいようにいろペンなどを使っていた。
まめだ。六神将ってヘンな人ばっかりじゃないんだなぁ・・・・[失礼]
「その下は・・ディストだ。」
へぇ・・ディストってこんな字書くんだ・・・。
なになに?
自分。
えーと・・・[汗]
自分ってディストの事?それともアッシュの事?
ちらっとアッシュの方を見ると頬を染めていた。
ヤバイ。
アッシュはガイに自分自身を捧げようとしてるー−−−!![汗]
「えーと、次は?」
それを阻止せねばとディストのアドバイスをスル−したルーク。
「これは、ラルゴだな。」
軽く咳払いしたアッシュ。
ルークが頬を染めた自分を見たのに気付いたらしい。
「えーと・・・。」
頑張れ
絶対面倒くさかったんだよ・・・これ・・・。[滝汗]
「だってさ、アッシュ・・・。」
「あぁ、頑張るさ。」
アッシュってこんなにバカだったけ?
その下のは明らかに女の字だった。
アリエッタに違いない。
↑に同じ・・・・かも・・・。
言葉にならなかった。
なんかアッシュを哀れむよりも自分が情けなくなってきた。[泣]
「頑張ろう、アッシュ。」
「あぁ。」
「シンクからだな、これは。」
気を取り直し髪を再び見つめる二人。
帰りたい・・・・・。
殺
アッシュって六神将からどう言う風に見られてるんだろう。[切実]
「シンク・・・。[汗]」
「シンクのやつ・・・ガイを取られるのがそんなに嫌なのか・・・。」
多分そんな問題じゃないと思う[汗]
「次は、・・・!」
「ヴァン先生まで書いたのか、これ。」
見慣れた字は綺麗な達筆で大きくこう書き記せれていた。
愛。
普通の顔から真剣な顔で頬を染めたアッシュ。
アッシュは自分自身を捧げる決意をしたみたいだ−−−−!!!![泣
ヴァン先生のばかぁぁぁっぁあ![泣]
「待てッ!!!![汗]
アッシュ、ダメだ、正気に戻れ−!!![泣]
普通にトリュフ作ろうって!
自分自身は関係が進んでからにしてからにしろ、なッッ!!」
必死に説得しようとしたから結構変な事言ったような・・・・。[汗]
「・・そうだな・・・。」
しょぼんとしたアッシュ。
よかった、レシピがあって。
ありがとう、リグレット[涙目]
****
「ただいま・・・・。」
「あぁ、ルークお帰り。」
「どこいってたんですか?
何か変な事でも・・・・。」
「まぁ、変な事はあったな・・。[泣]」
妙に疲れていたルークはさておき、
女性陣のチョコレート作りが終わっていたようだった。
「はいっ!チョコレートだよーvv
お礼は三倍返しでvvvv」」
アニスはきっちりと三人にあげていた。
「アニスのよりか、美味しくは無いだろうけど・・・」
ティアも三人分作っていたのだがルークのだけ大きかった。
ルークは疲れも吹っ飛んだらしい。ティアを抱き締めて喜んだ。
「ガイ・・・。」
潤め眼のナタリアはガイのことを見つめた。
その仕草に頬を染めたガイ。
アッシュ・・・勝ち目はなさそうだ・・・[BYルーク]
「貴方にだけですわv
美味しく召し上がってくださいv」
上目遣いのナタリアに天然ガイは何も思わず
いつもの口調でいった。
「チョコよりも君の方が甘くて美味しそうだけどな。」
ギャァァ−−−!?!!?
[鼻血]
やばいですわ、これは誘われていますわ。
冒頭のわたくしの妄想につながるんですわよね???[聞くな]
「召し上がってくださいつーか召し上がっても良いですか?[はぁはぁ]」
「はははは、何の冗談だい?
気持ちだけ受け取っとくよv」
ガイの罪作り・・・。
周囲にいたパーティメンバーはそう思った。
「あ・・あとさ、ガイ。
これ、アッシュがお前にってさ。」
「アッシュが?」
「俺の汗と涙の結晶だ。それ以上にアッシュの愛が迷惑なほどつまってる。
心して食ってくれ・・・。[泣]
ルークはとても真剣に泣きそうだった。
「?
わかった、大切に食べるよ。
にしても、嬉しいな。
こんなにチョコレートがもらえるなんて。
しかも手作りだ。愛がつまってるなぁvv」
そんなものいつだって作ってあげますわ。
あなたが喜ぶのなら。
その笑顔で私達は癒されるのですから。
いつだって愛しい貴方と。
****
そのあとガイは、二人のチョコを食べた途端
トイレからでてこなかったとかなかったとか・・・。
一番恐怖味わったのって俺じゃん・・・・。[泣]
[BYルークの日記より]
−fin−
あとがき
もうなんでもいいや。。。。[ぉぃ]
長かった・・・。すいません、ここまでよんでくださって[スライディング土下座]
管理人は好き放題やらせてもらいました。
もうヴァレンタインデー過ぎてますしね。
でもこれ、すごく削ったんですよ!?[ェ]
本当は六神将出すつもりだったんです・・・。
しかもナタリアの部分ありきたりだったような・・・・
すいません、精進します。[滝汗]
何度も言いますが、ここもでよんでくださってありがとうございましたッッ!