別れの言葉よりも






*farewell*











頭から離れないんだよ、君が。

苦しいけど、嬉しい。

君がいつも片隅にいてくれている。

そんな気がするんだ。





「ルーク、何してるの?」


灯りの点いている部屋。

窓から見える星は憎らしいほどに輝いていた。




ボーッと君を見つめる。

綺麗な蒼の瞳。茶色の長い髪の毛。

褒めると事はいっぱいある。

口に出していいたい。

だけど、恥ずかしいと思う気持ちと

悲しいと思う気持ちが入り混じってる。

そう思う事が悔しくて、嫌になる。




「ボーっとしてるわよ。
 眠いなら、寝なさい?
 明日も早いんだから・・・。」

「眠くは無いんだ。
 むしろ眠れないくらいでさ・・・。」




眠れない夜なんていつものようにあった。

だけど今はその眠れない時間がもったいなく感じて

君があたまから離れないなら

この目に入れておきたい。





「大丈夫よ、ルーク。
 あなたはひとりではないんだから。」



ニコリと微笑むティア。

今の自分の心をまるで読み取ったかのよう。

愛しくて仕方なかった。












「ティア、お前が好きなんだ。」

胸の中木霊して離れず

そのまま。

どうしよう?

大好きなんだ。

夢に出て来て下さい、今すぐ抱きしめるから。





おやすみとかさよならなんていわないで。

ここにずっといて欲しい。

ここにずっといたいんだ。















-fin-