例えばの話。
もし僕等が結婚したとして 生まれた子は生意気だろう。
でも、君に似て絶対可愛いはず。
でも、僕に似て君を離さないはず。
*考えた、例えばの話*
ある日の買出し。
財布を持ち、品物を見る。
買い物の仕方も分からなかった俺だけど、
今は高いか安いかも分かったし、平均なみに出来るようになった。
だけど、ティアがいたほうが安心で、
いつもついてきてもらっていた。
今日はなんとなくだけど機嫌がいいみたい。
俺も不思議と機嫌が良くなる。
「えーと、買うのはライスと、パンとチキンとタマネギ・・・・。」
「チーズもなかったわよ?」
「あ!そうだった、そうだった。」
俺やナタリアも今回の旅で料理も出来るようになった。
といっても、あまり上手くないのは確かだけど。
「ママッ!」
パッと振り向く。
そうすると、男の子がティアに抱きつく。
ビックリする、
つーか誰よ?
三歳くらいの小さな男の子。
ママ!?えー?!
男の子はバッと頭を上げた。
ティアの顔を見る。
そうすると、一目散に離れて走り出した。
あまりに突然で素早い行動でその男の子を追いかけることさえ出来なかった。
迷子か・・・。
「あ、待って!」
「ティア、大丈夫だよ。」
その男の子は走っていった先にお母さんと会えていた。
ホッと胸を撫でおろすティア。
「それにしても、ティアがお母さんね・・・。」
買ったタマネギを手で弄びながら呟く。
「何よ?私だっていつかはお母さんになるのよ。」
俺の言い方が少し気に食わなかったのか、そっぽを向きながら言った。
ティアが、お母さん。
絶対可愛い子供が出来るはず。
綺麗な瞳は似ていてほしいな。
性格は生意気になるだろうな、意地っ張りで。
だけど微笑むと可愛い子だろう。
「ティアの子かぁ・・・。」
すこし想像を膨らまして、ある事に気づく。
「なぁ、お母さんになるよりも先に誰かと夫婦にならなきゃいけないじゃん!」
「え?えぇ、そうね。」
ティアもすこし考えていたみたいだ。
「ティアの旦那さんは、俺でいい?」
ティアと俺の子。
最高に生意気で最高に愛らしいだろう。
「え!?・・・・貴方って、時々すごい事いうわよね・・・・。」
ティアの顔は紅く染まっていた。
俺も勢いで言ったけど、なんとなく恥ずかしくなってしまった。
俺と愛しい君の子供。
想像は止まらない。
最高の子供になる事は間違いない。
だけれど、俺の一番になる事はないだろう。
薄情?だって一番愛しいのは 妻となる君なんだもの。
例えばの、本当になればいい想像のお話。
―fin―

あとがき
ルクたんはこの時点で、子供の作り方を知らないといいなぁと妄想。
だからはっきりいえるんだと思います。ルクたん知ってたら照れそうだし。でもそれでもいいかなぁvv
